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私は今度土地を購入し、住宅を建築しようと考えています。
現場には古い境界標があり、 売主は境界については問題ないと言っていますが、そのまま信用してよいでしょうか。
土地を購入する際には、仮にその土地に境界標があったとしても、それが動いているかもしれません。
売り主さんに協力してもらい、隣接地の所有者に立ち会いを求め、境界を確認しておきましょう。
立ち会いをするときには所轄法務局にて登記簿、公図、地積測量図などの資料をよく調べ、 それらの謄本や写しを取っておくとよいでしょう。

地積測量図はすべての土地についてあるわけではありませんが、 測量図にはその土地の形状と寸法が記載されているので、現地に境界標があれば、測量図と照らし合わせてチェックします。
境界が確定したら、永続性のある境界標(プラスチック杭、コンクリート杭など)をコンクリート根巻で固定し、 測量をして、境界を明示した実測図を作成し、隣接地の所有者の確認印を押して保管して下さい。
境界標の写真を撮っておくと、 トラブル防止に一層役立つでしょう。「杭を残して悔いを残さず」です。
 

私の土地は図のように隣地より3メートルほど低い所にあり、当然私の所有と思っていた傾斜地の部分に、 お隣が垂直に擁壁を建てて埋め立てると言ってきました。
このような場合、境界はどこにあると判断したらよいのでしょう。
一般的に傾斜地部分は、上部の土地に属すると認定されることが多いようです。
理由はのり面で上部の土地を維持しているという 事実上の理由と、明治10年の「崖地処分規定」にある定め「~中間ニ在ル崖地ハ上層の所属トスベシ~」などの根拠があるからです。
しかし、すべての傾斜地にこの原則が当てはまるわけではなく、その土地の地域慣習、法務局備え付けの公図、 地積測量図などを基に当該地の沿革を調べ、帰属が下段の土地所有者にあるとされたケースもあります。
境界調査の専門家である土地家屋調査士に依頼し、よく調査されることをお勧めします。

同じように判定が難しいケースとしては、 周囲の宅地より一段高い道路との境界、段々畑の境界、水田の畔(あぜ)境界があります。
いずれも、地域の慣習や法務局の公図、 地積測量図などを十分に調べ、納得のいくよう境界を定めることが大切です。
 

私の実家は神戸市ですが、阪神淡路大震災によって実家の地域全体が数10センチ、大きいところで1メートル近く 水平方向に移動していることが、測量によって判明したと新聞報道がありました。
実家の敷地の境界も移動しているようですが、 このままでよいでしょうか、移動前の位置には戻るのでしょうか。
現在は人工衛星を利用した最新の技術により、短期間で精度の高い測量ができます。
震災後、 建設省国土地理院によるこうした測量の結果、被災地周辺で1メートル以上ずれた地域が存在することが判明しました。
本来の土地の境界(筆界)は、個々の土地を区画する公法上の区分線で公的に設定されたものであり、 分筆などの手続きを行わない限り、当事者間で任意に処分はできないものとされています。

ご質問のように、 地震などの地殻の変動により、地表面が広範囲に移動し、境界も動いた場合は、法務省民事局の見解として、 移動は人為的なものではなく、隣接地全体が相対的に移動したものであることから、 局地的な地表面の土砂の移動(崖崩れなど)と異なり、原則として土地の境界も相対的に移動したものとして 取り扱うことにしています。
あなたのご実家の場合も同様に、隣接地と一緒に敷地境界も移動したことになりますので、 現地にある境界標識は測量図の境界標識とみなしてもよく、ご心配はありません。

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地価高騰は鎮静化してはいるものの、土地は依然高い財産的価値を持っています。
境界を安全に管理していくためのよい方法を教えて下さい。
土地の価値が今ほど高くない時代には、樹木や岩、溝や畦などの自然的地物をお互いの境界としてお隣同士支障なく 過ごしてきました。
しかし、今日のように土地が高い財産的価値をもつようになると、ばく然とした境界では土地を 十分に管理していくことはできません。
さらに、現地を特定することができる公的な地図も、 このコーナーでもご説明致しましたように、全国的には十分整備はされてはいませんし、現在法務局に備えてある地図に 準ずる図面としてのいわゆる公図は、その作成過程から精度は十分でなく、境界判定の資料とはなりえない場合が多くあります。

そこで境界紛争を未然に防ぐには、まず第一に隣地所有者の立ち会いを求め、様々な資料を参考にして決定した境界点に、 御影石やコンクリート製の堅個な境界標を、コンクリートなどで十分根巻きをして設置すること。
第二に各筆ごとに測量図を作成し、関係者の確認印を得ておくこと。
第三に図面上の境界点と現地の境界点が 対応して認識できるような写真を撮影しておくこと。
また、万が一境界標が忘失しても復元できるように、 近くの変動しない基準からの位置関係も図面に記載しておくとよいでしょう。

重要なことは所有者自らが境界を十分認識し、 管理していくことです。
遠方の土地については、地元の土地家屋調査士に管理を依頼することもできます。
 

十数年前に分譲の土地を買いましたが、二十数区画のうち半分ほどしか家が建っていません。
先日、久しぶりに草取りに行ったところ、隣接地との境界杭がなくなっていました。
隣も家が建っておらず、現在の土地の所有者が誰なのかも分かりません。分譲した不動産業者も廃業しています。
一応、権利証が分筆図に付いているので、図面通りの距離に杭を入れたいと思いますが、それでよいでしょうか。
結論から言えば駄目です。
測量図があるからといって、1人で勝手に杭を入れてはいけません。
やはり隣接土地所有者と立ち会い、境界杭を入れなければなりません。

この場合、杭のなくなった土地の所有者のみならず、 あなたの土地に隣接する土地所有者全員(場合によっては、さらにその隣接所有者も必要なこともある) の立ち会いが必要となります。
なぜなら、杭を入れるための基準となる境界自体が正しいかどうかの確認も必要だからです。
ご質問の場合は、測量図を作成した土地家屋調査士にご相談されるのがよいと思います。
 

知人が境界紛争で険悪な状況に陥っています。
どのように対処しておけば、こうした問題を未然に防ぐことができるでしょうか。
土地所有権がある限り、境界紛争はなくならないでしょう。
紛争を予防するには、正確な境界を把握、維持することが必要です。
宅地は山林、農地より地価が高い上、土地が密集しているため、日常生活に影響を受け、利害関係が生じ扮そうが起きやすいものです。

山林、原野は沢、尾根、樹木など自然的特徴で判別しますが、自然の変化により安定しません。
農地については、田はあぜなどで区画が分かりますが、畑は地形的特徴に乏しく、注意が必要です。
隣接者との境界を確認の上で測量図を作り、境界線に永続性のある境界杭を設置することが必要です。
土地所有者が遠方で、土地を放置したため問題が発生する例もあり、日常管理が必要です。
土地家屋調査士が作成した測量図に隣接者の署名、押印があれば客観的証拠として紛争を防ぐ大きな効果があります。
 

隣接する土地所有者が住宅を建築するため、今まであった境界杭を無断で抜き、勝手に別な所にくいを設置し、 これが正しい位置だと主張しています。
こんなことが許されるのでしょうか。
境界標は、土地と土地の境界を示すために人為的に設置した目印です。設置された経緯については、 いろんな事情があったと思われます。
刑法上は、法律上保護に値する正しい境界を表現する境界標ばかりでなく、 境界を示す境界標が仮に誤った境界を示していても、古くから一般的に承認されてきた境界や、 関係者の合意による境界を示す境界標が実際上存在していれば、これらの境界標を隣接者に無断で破損、移動、除去したり、 そのほかの方法で土地の境界を認識することはできません。

もしすれば、境界標毀(き)損罪が成立し、 5年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。故意に他人の土地を侵略する目的で境界を毀損すれば、 場合によっては不動産侵略罪が成立し、10年以下の懲役という重罪になることもあります。

そのほか、その境界標が、国や地方公共団体が費用負担をして行う基本測量や国土調査のための標識であれば、 測量法や国土調査法の違反ろして2年以下の懲役、5万円以下の罰金に処せられることもあります。
境界標に対する処分は十分な注意が必要です。

民法上は、撤去されたあなたの境界が、 あなたの占有してきた土地を侵害することとなった場合は、1年以内であれば裁判所へ境界の確定とは別に、 占有回復の訴えと言う方法で簡易に占有を取り戻す方法もあり、その後、境界を定めるために調停や裁判による解決を 目指すことができます。
「目には目を、歯には歯を」という論法で、あなたが相手の設置した境界を勝手に抜いたりして 自力救済に訴えることは、いくらあなたの言い分が正しいとしても、社会生活上も賢明な方策ではありません。

冷静な対応が必要です。このようなことが起きないよう日ごろからお隣さんと仲良くし、 境界を示す境界標は関係者の立ち会い合意の上で設置、互いに境界標を管理していくことが必要です。




岐阜県土地家屋調査士会

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